ダイエット薬について
ダイエット薬を使用するダイエットについて、パーソナルトレーナーおぜきとしあきが、パーソナルトレーナー目線、かつ、ボディメイク目線での情報と見解をお伝えさせていただきます。運動する時間がないから、食事制限は無理だから、ダイエット薬ってどうなの?とか、ダイエット薬で足は細くなるのとか、ご質問をいただきます。
話題となるダイエット薬
肥満症治療薬であるGLP-1受容体作動薬のウゴービ(セマグルチド)が、2024年2月22日から保険診療で使用できるとのことで、ダイエット薬がまた注目になっています。今までも、海外からの未承認のダイエット薬の健康障害や死亡例など、何度も何度もダイエット薬は話題になってきました。ダイエットは、世界中の人類の永遠のテーマなのでしょう。そして、運動なし食事制限なしでダイエットしたいというのが、世界中の人々の心情なのでしょう。私も含めて、ほとんどの人間は、辛いダイエットはしたくないのです。
ダイエット薬の問題
さて、ダイエット薬には下記についての問題があると思います。
- 倫理的問題
- 注射
- 筋肉は落ちるスピードアップ
- 体型のシルエットは変わらない。つまり、下半身太りの人はそのまま下半身太りのまま。
ダイエット薬の倫理的問題
ダイエット薬を処方する医師の倫理問題があるかと思います。日本医師会副会長の今村聡氏が、インターネットで「GLP-1ダイエット」と広告し、自由診療のオンライン診療で2型糖尿病治療に用いるGLP-1 受容体作動薬をダイエット目的で使用されている現状を問題視していると声明を出しました。そして、同氏は、「医の倫理に反する。医師が医療機関の名の下に、このような状態に関与していることは同じ医師として大変遺憾に感じている」と憤りを隠さず、厚生労働省に対応を要求しました。自由診療のオンライン診療による「GLP-1ダイエット」の増加は、近頃初診からのオンライン診療の初診対面の原則がなくなり、「GLP-1ダイエット」のハードルが下がったことに加え、GLP-1は最初は注射薬のみだったのが、2021年2月から経口薬が上市されたことも背景にあると示唆されています。
医療機関や医師も、経営があります。生きていくためにも、お金が必要な事情は理解できなくありません。このようなダイエット薬の売り方をしないにしても、仲の良い友達や家族からの強い頼みだったりしたら、ダイエット薬をこっそり処方してあげることもあるのでしょう。
「GLP-1受容体作動薬は体重減少が期待できる薬ですが、十分なエビデンスが揃っているとは言い難く、健康な方が気軽なダイエットとして利用することはおすすめしない。」というのが、現在の大多数の医師の見解のようです。
パーソナルトレーナーやパーソナルトレーニング業界と同じで、患者の身体よりも、お金儲け主義か、意義ある仕事主義かで分かれるのかもしれません。
厚生労働省の「GLP-1受容体作動薬について、美容・痩身・. ダイエット等を目的とした使用を推奨していると受け取れる広告等」についての見解も出ています。
➡︎ GLP-1受容体作動薬について、美容・痩身・. ダイエット等を目的とした使用を推奨していると受け取れる広告等
ダイエット薬とは話はそれますが、過去には、成長ホルモン注射のダイエットが密かにブームだった時期もありました。旦那さんが医師だから、ダイエットのために、成長ホルモンを打ってもらっているという女性が何人も、私パーソナルトレーナーおぜきとしあきのところにダイエット相談に来られていた時期がありました。
確かに、成長ホルモンは、ある一定の条件が揃った時に限り、体脂肪減少にもつながるものです。しかし、読んで字の如く、基本は、身体組織を「成長」させる効果のあるホルモンです。例えば、骨に関しては、子供の成長期には、骨を上へと伸ばしてくれます。しかし成長期が終わった大人は、骨を上へと伸ばしてくれません。しかし、頭蓋骨は、大人になっても、大きくなる余地が大いにあるので、成長ホルモンにより、顔や頭は大きくなります。
確かに、その相談者の方は、体脂肪はそれほど多くないのですが、顔と頭が大きく、胸郭もかなり横に大きく驚いた経験がありました。もちろん、私は、パーソナルトレーナーであり、医師ではないので、骨を削って細くすることはできませんが、体型の見た目をよくするために、出来うるボディメイク技術をパーソナルトレーニングに注いだ覚えがあります。
ここで確認していただきたいのが、成長ホルモンが自分の身体から自然に出る分には問題はないが、外的に身体に入れてしまうと、問題が出てくることという点です。どんなホルモンも、外的にホルモンを入れてしまうと、他のホルモンとのバランスが悪くなります。人間の身体には、そのバランスを整えようとする本能的な機能があります。そして、必要分以上に他のホルモンを分泌してしまうことで、問題が生じます。
例えば、筋肉をつけたいために男性ホルモンを注射し外的に身体に入れる人がいます。そうすると、その拮抗する女性ホルモンの分泌が増えます。そして、男性ホルモンを打たなくなった後も、自分から自然に分泌した女性ホルモンは増えたままになります。その代表的な問題が、男性の乳房の女性乳房化です。
注射するタイプのダイエット薬
GLP-1受容体作動薬は注射薬タイプと、飲み薬タイプがあります。ある詳しい医師の見解によると、飲み薬タイプは、全く効かないそうで、注射薬タイプで少し効果がある程度だそうです。そして、注射を打つタイプは、週一回自分で打つ必要があるそうです。注射する際、注入部位はお腹・太もも・腕などで、毎回同じ部分に打つのではなく、日によって場所をずらしながら注射していきます。
その精神的な負担と注射の痕の身体的負担が指摘されています。自分で注射することに慣れている人は良いですが、そうでなければ、精神的な負担は相当なものでしょう。何回も打つ無数の注射の痕は、特に女性にはデメリットでしょう。美しくなりたいがためにダイエットするという女性が大多数です。肌も美しくしていたいはずです。ダイエット薬の注射は、その点で矛盾することではないでしょうか。
筋肉が落ちるスピードがアップ
承認ダイエット薬でのダイエットは、油分を流すか、食欲抑制してかで、摂取カロリーを減らすことでダイエット効果を狙うというのがダイエット理論になっています。運動、トレーニングしないで、厳密には筋肉を使わないで、摂取カロリーを減らすと、どうなるでしょうか?
うまくいけば、
摂取カロリー<消費カロリー
となり、
消費カロリーの足りない分を、自分の体脂肪から補い、ダイエットができるという理論です。
しかし、人間の身体はそんな単純にはできていません。カロリー不足になっても、自分の脂肪を燃焼するとは限らないのです。失礼な例を挙げさせていただくと、不思議なことに、毎日食べ物を漁っている浮浪者でも太った体型の人はいます。また、仕事が忙しく食べる時間もないし食欲もないから、一日、おにぎり1個だけしか食べていなくても脂肪が全く減らない人を見たことありませんか?運送屋さんで一日中走り回っているのに脂肪が多く痩せていない人は見たことありませんか?
このような、カロリー不足の時、身体の中ではどんなことが起きているか?ある一定の良い条件とタイミングが重なれば、体脂肪を使い始めます。しかし、それは、その条件とタイミングがドンピシャの時だけで、この時、筋肉を削って、筋肉を落としているのです。
つまり、ダイエット薬によるカロリー制限のダイエットでは、筋肉が落ちるスピードがよりアップしてしまうのです。
筋肉の大切さは、もうみなさんはご存知でしょう。筋肉は、じっとしていても、カロリー消費の70%を占めます。そのありがたい筋肉が減ることで、その恩恵を、ダイエット薬により、マイナスにしていくのです。
もう、ダイエット薬というのは、ダイエットをしてくれているのか、ダイエットを阻害しているのか、よくわからない状態です。
ボディメイク効果はなし
体型のシルエットは変わらない。つまり、カロリー制限だけなので、全体的に身体がシュリンクし縮むだけの状態です。下半身太りの人はそのまま下半身太りのままです。ボディメイク効果は全くなしです。
ダイエット薬副作用例
承認されているダイエット薬だからと言って、副作用がないわけではないようです。その点も注意が必要です。承認ダイエット薬には、主に下記の副作用報告例があると言われています。詳細は、豊富な知識があり正義感のある信頼のおける医師などに尋ねていただくことが良いかと思います。
マジンドールの副作用
- 口の渇き
- 吐き気
- 便秘
- 不眠
- 頭痛
- 動悸
- 脱力感
- めまい
- いらいら感、神経過敏、興奮
- 尿がでにくい
- 長期服用で効き目がなくなる
オルリスタットの副作用
- 油漏れ(油が自覚なしにお尻から出てしまう)
- おならの増加
- 下痢
セマグルチド(GLP-1受容体作動薬)の副作用
- 栄養不足
- 臓器障害
- 低血糖による意識消失