
女性のボディメイクの世界では、いまやピラティスは欠かせない存在になっています。
呼吸とともにゆっくり身体を動かし、しなやかさや安定性を高めていくエクササイズとして、多くの女性がスタジオに通い、「姿勢が良くなった気がする」「身体の調子が整った」と感じています。
残念ですが、ピラティスをどれだけ頑張っても、モデル体型”は作れません。
これは、好き嫌いの問題ではありません。身体の構造・筋生理学・運動という観点から見たときに、避けられない限界です。私はその内容を、自身のサイトでも「ピラティスでボディメイクできない理由」「ピラティスの姿勢改善効果」として整理しています。
参考:
▶ ピラティスのボディメイク効果は?
▶ ピラティスの姿勢改善効果は?
ここからは、
について、パーソナルトレーナーおぜきとしあきとして、専門的な視点から分かりやすく解説していきます。
まず、ここを勘違いしてしまうと、いくら頑張ってもゴールに辿り着けません。
モデル体型=単に痩せていること、体重が軽いことではありません。
世界で活躍するトップモデルたちの身体を、骨格レベルで観察すると、一つの共通点が見えてきます。
これらが立位姿勢で重力に対して、ほぼ垂直に近い角度で並んでいるということです。
この「垂直性」が、見た目に次のような影響を与えます。
つまり、モデル体型の本質を決めているのは「立位姿勢での骨格関節角度」であり、体脂肪率や体重はあくまで補助的な要素に過ぎません。
そして、この「立ったときの角度」は、重力がかかっている状態で身体がどう支えているかによって決まります。仰向け・座位・四つ這いといった、重力を逃した姿勢での運動では、本質的には再構築できません。
私は、姿勢を次のように定義しています。
「姿勢とは、立位姿勢における骨格の関節角度の総和である」
肩、胸郭、骨盤、股関節、膝、足首がそれぞれどんな角度を取っているか、その「総合結果」が、あなたの“立ち姿”=姿勢です。
骨は自分で立つことはできず、筋肉の張力バランスによって、その角度が決まります。
くねくね姿勢とは、
といった「関節角度の偏り」が積み重なった姿です。
反対に、まっすぐ姿勢とは、
という「角度の整った立ち方」です。
ここで大切なのは、姿勢は「意識」ではなく「筋の張力ベクトルの合力」で決まるということです。
一瞬「姿勢を正して」も、筋出力のバランスが変わらなければ、すぐに元のくねくね姿勢に戻ってしまいます。
ピラティスの運動体系を見てみると、そのほとんどは、
といった非・抗重力姿勢で行われます。これは、リハビリを起源とした運動体系であることを考えると、非常に合理的です。
しかし、ここにボディメイク・姿勢改善としての構造的な限界があります。
ピラティスは、
といった「神経制御」には大きく貢献します。
その結果、「姿勢が整った気がする」「スッキリした」といった感覚が生まれます。
しかし、
・ピラティスが変えるのは“感覚”であって、“構造”ではない
・ピラティスは「姿勢を保つ感覚」を整えるが、「姿勢そのものの角度」までは変えられない
という点は、はっきり切り分けておく必要があります。
ここからは、女性が一番気になっているポイント
「くねくね姿勢は、なぜピラティスで“まっすぐ姿勢”にならないのか?」
を、少し専門的に整理します。
姿勢とは、筋の張力が骨をどの方向にどれだけ引っ張るか、そのベクトルの合計結果です。大胸筋が前方に強く働けば肩は前に出て猫背になり、腸腰筋が短縮すれば骨盤は前傾し、腰椎は反りやすくなります。
つまり、
「どの筋肉が」「どの方向へ」「どれくらいの強さで」骨を引っ張っているか
これが変わらない限り、くねくね姿勢はくねくねのままです。
ピラティスは、
といった「使い方」の再学習には優れています。
一方で、
という「力学的再構成」「構造的変化」は起こりにくい運動設計になっています。
その結果どうなるか。
・くねくね姿勢のまま、動き方だけが少し上手になる
・「整った気」はするが、写真や動画で見るとシルエットはほとんど変わっていない
という状態が起こります。
立位姿勢を本当に変えるには、次の3つが必要です。
ピラティスはこのうち、③の「神経支配の再最適化」には貢献しますが、①②を満たすには負荷が足りません。
だから、くねくね姿勢が“感覚的には良くなったように感じても、角度そのものは変わらない”という現象が起こるのです。
多くの女性が信じてしまっている一番大きな勘違いが、これです。
「モデルがピラティスをしている」
→「だから、私もピラティスをすればモデル体型&まっすぐ姿勢になれる」
しかし、ここには決定的な見落としがあります。
つまり、スタート地点がまったく違うのです。
モデルは、元々の骨格特性や成長過程の動きの習慣などにより、
という状態でピラティスを行っていることが多く、そのためピラティスをしても「モデル体型のまま」に見えます。
一方、立位姿勢に崩れがある一般の女性が同じことを行っても、その骨格的な崩れの部分は解決されません。
このギャップが、
「モデルみたいになれると思って頑張ったのに、なんとなくスッキリはするけど、シルエットは変わらない…」
という挫折感につながっています。
では、モデル体型や“まっすぐ姿勢”を目指す女性に、本当に必要なのは何でしょうか。
それが、私が長年研究してきた「立位姿勢における骨格関節角度」に直接アプローチするトレーニング、つまりシセトレとモデル筋です。
立って重力を受けながら、
といったことを、立位で行っていく必要があります。
この考え方を体系化したものが、私のおこなっている「シセトレ(姿勢トレーニング)」と、「モデル筋」のメソッドです。
シセトレとは、「姿勢トレーニング」の略称であり、
「立位姿勢における骨格関節角度」を整えることを第一目的としたトレーニング法です。
通常の筋トレが、
を主目的にしているのに対して、
シセトレは、
といった、「骨格の関節角度」にフォーカスしています。
シセトレでは、次のポイントを重視します。
これにより、
という変化が起こります。
くねくね姿勢を、トップモデルと同じ「まっすぐ姿勢」に変えるために必要な位姿勢の骨格関節角度を垂直にすることが、ここで行われます。
| 観点 | ピラティス | シセトレ・モデル筋 |
|---|---|---|
| 主な姿勢 | 仰向け・座位・四つ這いなど、重力を逃した姿勢が中心 | 立位が中心。最終的に「立ち姿」での角度を整えることを目的 |
| 主目的 | 動きのコントロール・深部筋の協調・可動性・体の調子を整える(神経制御) | 立位姿勢における骨格関節角度の矯正と、モデル体型シルエットの形成(力学的再構成+構造的変化) |
| 重力との関係 | 重力の負荷を軽減しながら、コントロールしやすい環境で動く | 重力を正面から受けながら、立位で支える角度と筋の張力を再教育 |
| 姿勢への影響 | 「姿勢を保つ感覚」「コントロール能力」は高まるが、立位骨格角度の恒常的変化は乏しい | くねくね姿勢から“まっすぐ姿勢”への角度そのものの再構築を目的とする |
| モデル体型への寄与 | コンディションの維持・しなやかさ・体調管理には有効 ただし「まっすぐ立てるモデル体型」を新たに作る力は弱い |
崩れた立位姿勢から「垂直に近い骨格ライン」への再構築を目指す中核メソッド |
| 対象となる課題 | 筋のこわばり、可動域の低下、体の重さ感など | O脚・X脚、骨盤の傾き、猫背、反り腰、脚が短く見える、くねくねボディなど |
ここまでの内容を整理します。
そ
のうえで、私はパーソナルトレーナーとして、次のように考えています。
「ピラティスは、動くことからの身体を通じた、自身との対話として、とても有効です。しかし、今の体型・姿勢から“モデル体型そのもの”や“まっすぐ姿勢”を新しく作りたい女性には、シセトレとモデル筋という、立位姿勢の角度からアプローチするボディメイクが必要です。」
モデルがピラティスをしているからといって、
「ピラティスさえやっていれば、いつか自分もモデル体型になれる」
と考えてしまうのは、どうしても現実とズレが生じてしまいます。
もしあなたが、
と感じているなら、一度「立位姿勢の骨格関節角度」という視点で、自分の身体を見直してはどうでしょうか。
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